あのHPVワクチン騒動とはいったいなんだったのか?または、ココロはいかにしてカラダに影響を及ぼすか?
HPVワクチンと Mizuho.H 氏 第5回
https://www.sankeibiz.jp/econome/news/120627/ecb1206271948000-n1.htm
厚労省によると、接種後の意識消失などの症例は今年3月までに、延べ634万人に接種されたグラクソ・スミスクライン社のサーバリックスで683例、延べ約53万人に接種されたMSD社のガーダシルで129例。うち転倒して頭を強く打ち付けたり、鼻を骨折したりするなど二次被害が起きたケースも前者で38例、後者で13例あった。
- 2010年11月26日:子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業による公費助成開始 健発1126第10号平成22年11月26日(PDF書類)
- 2013年4月1日:定期接種開始 予防接種法の一部を改正する法律の施行等について 健発0330第1号平成25年3月30日
- 2013年6月14日:積極的な接種勧奨の一時差し控えを決定 ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告) 健発0614第1号(PDF書類)
※ 自治体から接種対象者に接種時期を知らせたり、個別に接種を奨めるような積極的勧奨は中断されていますが、現在でも希望すれば公費助成によるHPVワクチン接種は可能です。
〝HPVワクチンの接種について、個別通知しているのは全国で7市町村にとどまる。埼玉県深谷市、兵庫県三田市、兵庫県姫路市、鳥取県倉吉市、徳島県上坂町、奈良県橿原市、愛知県刈谷市だ。〟
— ようこ (@ykamegame) June 13, 2019
おお、分かった。ありがとう。 https://t.co/CWq5GmN2nl
筋肉内注射に不慣れだった日本の医師
今なお残る大腿四頭筋拘縮症のトラウマ
大腿四頭筋というのは、太ももの前面にある大きな筋肉のことです。拘縮というのは筋肉が伸展性を失い関節の可動性が制限または消失した状態
をいいます。コトバンクに掲載されている辞典には筋肉内注射が原因で大腿四頭筋拘縮症が発症したと 2019年06月17日現在記載されていますね。
この筋肉内注射が原因とされる大腿四頭筋拘縮症が大きな社会問題となり、日本での予防接種は一部の例外を除いて原則的に皮下接種となった経緯があるようです。
しかし、現在では筋肉内注射の物理的刺激が原因で筋肉の拘縮がおこったのではなく、組織への侵襲度の高い薬液が原因であったとされています。
筋拘縮症の要因として、薬剤のpHの低い、浸透圧の高い解熱薬や抗菌薬の頻回投与(特に両薬剤の混注)との関連を指摘しており、ワクチン(ほぼpHはほぼ中性で、浸透圧は生理的なものに近い)接種との関連には言及していない。一方、海外においては、生ワクチンを除く多くのワクチンは、原則筋肉内接種で行われている(中略)筋肉内接種が皮下接種に比べ、局所反応が少なく、また、免疫原性は同等か、それ以上であることが知られている
小児に対するワクチンの筋肉内接種法について 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20150519_kinnnikunaisesshu.pdf
日本の小児科医は筋肉注射慣れしてないので…今年の小児科学会でもかなり上に接種して有害事象が出た発表がありました。 RT @DrMagicianEARL: CRPSがHPV…それ以外に筋肉注射の手技が適切になされているかの確認も必要かなと.注射針刺しただけでも起こるし.
— 世界の かるがも in 世田谷 (@atsushimiyahara) 2013年6月15日
- 接種後に疼痛が高頻度で発生し、人によっては疼痛が長引くことがあることを説明する必要性。処置前にネガティブな情報を患者に伝えるとノセボ効果でかえって有害事象が発生しそうで悩ましいですが、説明されずに接種部痛が続けば誰でも不安になります。そうした不安がさらに痛みを増強する可能性については後述します。
- 注射部位を揉まないように医療従事者、患者ともに周知すること。
- 接種時の患者の肢位、ベッドに横たわった肢位での接種を勧めていること。
- 接種後 30分程度は医療機関内で安静にした上で異常がないことを確かめてから患者を帰宅させること。
注射部位を揉まないように医療従事者、患者ともに周知すること。等は、以下のサイトの筋肉内注射の手技解説では、
注射後のマッサージだけれど、筋肉注射では基本的には実施する必要があるわ。としていますので、医療従事者の間でも混乱はなかっただろうか?と疑問に感じています。
デモンストレーション
「子宮頚がん(HPV)ワクチンは危ない!」というデマが流れているので、新宿のナビタスクリニックでHPVワクチンを打ってきました。
— 駒崎弘樹 ( Hiroki Komazaki ) (@Hiroki_Komazaki) 2017年11月24日
筋肉注射なので痛みを覚悟していましたが、全然痛くない ^_^
HPVは中咽頭癌も引き起こすので、ワクチンは男性にも有効。男性も女性も、みんな打とう! pic.twitter.com/JwbsiHNqL1
HPV は中咽頭がんの原因でもあります。ほかのワクチンと同様で、特別痛い、何か起きる、ということはありません。
— 久住 英二 Dr. Eiji Kusumi @駅ナカ『ナビタスクリニック』 (@KusumiEiji) 2017年12月2日
多くの医師達が接種しています。
ナビタスクリニック新宿にはガーダシル、Gardasil 9ともに準備しています。 pic.twitter.com/rVy5RDsxiZ
子宮頚がんワクチンの安全性を証明した村中氏 @rikomrnk が英科学誌ネイチャーに表彰されましたので、私も普及啓発のためにワクチンを接種してきました!男性が受けても効用があるんですよー。詳細は後ほどブログにて^ ^ pic.twitter.com/4qAkGZ1WIy
— おときた駿(北区長選挙 / あたらしい党 代表) (@otokita) 2017年12月12日
今日は立川でガーダシル(HPVワクチン)接種希望の女性が2名連れ立って来院。お友達とのこと。
— 久住 英二 Dr. Eiji Kusumi @駅ナカ『ナビタスクリニック』 (@KusumiEiji) 2018年2月28日
副作用がちょっと心配とのことで、説明した後で昨日の動画見せたら「なんだ安心した、打ちます」とのことで、ニコニコ接種受けられました。
人間ってのは、案外そんなところがあるんですね。 pic.twitter.com/9Kx6paXHl1
大人の女性の子宮頸がん(HPV)ワクチン接種に関する記事を書き下ろしました。
— 村中璃子 RIKO MURANAKA (@rikomrnk) 2018年6月21日
村中璃子「子宮頸がんワクチン打ちました。今まで接種表明しなかった理由と大人のHPVワクチン」https://t.co/xM9MBr9Kfe https://t.co/xM9MBr9Kfe
ツイートに添付されている動画を拝見する限りでは、ワクチンを接種している術者の方の動きには無駄がなく熟練している様子がうかがわれます。注射の後には、注射部位を揉んだりすることもなく、アルコール綿を押し当てているだけなのがわかります。
また、久住先生がワクチンを打たれる時に、口を開けながら「アー、アー」と声を出していらっしゃるシーンがありますが、これは注射を打たれる警戒心から無意識に筋肉をこわばらせてしまうのを防ぐ効果があるかもしれないですね。意識的に、久住先生がそれをなさっていたのかどうかまではわかりません。
しかしながら、冒頭で紹介したとおり、HPVワクチン騒動は多数の意識消失患者を出すことから始まりました。HPVワクチンの安全性をアピールするデモンストレーションであれば、注射の際に起こる可能性のある失神への備えもアピールしなければ不完全ではないでしょうか?

迷走神経反射で意識喪失があり、外傷などの二次被害が起こるおそれを加味して、処置の際は背もたれのある椅子や横になったベッド上で行います。
デモンストレーションの為のツイートに添付されている動画や画像を拝見したところ、誰一人として背もたれのある椅子や横になったベッド上で注射を受けてはいません。背もたれのない椅子や診察用ベッドに浅く腰掛けた状態で処置を受けています。
恐らく、血管迷走神経反射が起こりそうな人には、あらかじめ別に対策をした上で注射をするのであろうと拝察いたしますが、これから注射を受ける予定の人で注射に恐怖感があったり、立ちくらみなどをよく起こすことがあるという方は、ベッドに横たわった姿勢で注射をしてもらうことが可能かどうか?前もって医療機関に相談してみた方が良いと思います。
血管迷走神経反射
神経調節性失神は、排尿、咳嗽、嚥下、食後などの特定の状況で発症する状況失神、恐怖、疼痛、驚愕など情動ストレスにより惹起される情動失神、および血管迷走神経反射による失神を総称する概念とされています(図)。
(中略)
脳幹の循環中枢に刺激が達し、遠心路として交感神経の緊張が低下し末梢血管の拡張が起こり、同時に遠心路としての迷走神経の亢進がおこり心拍数が低下します。その結果血圧低下と徐脈により脳血流は低下し失神にいたります。
自律神経は人の意識とは無関係に(不随意)に内蔵などの機能を調節していますが、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。交感神経と副交感神経は互いに拮抗的に働き、とても大雑把な言い方をすると、交感神経は緊張した時や活動的な時に優位になり、副交感神経はリラックスした時や安静にした時に優位になります。
そして、迷走神経は、脳から出ている12対の脳神経のうち10番目に数えられる末梢神経で、副交感神経の大部分を占めています。 迷走神経[Ⅹ] - 船戸和弥のホームページhttp://funatoya.com/funatoka/anatomy/cranial/cn10.html
https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/26840192 ( Abstract )
血管迷走神経反射について大雑把にまとめると、恐怖や精神的緊張、疼痛等により誘発され、末梢血管の拡張と心拍数の低下によって、血圧低下と徐脈が起こり、脳への血液供給量が低下して失神に至る現象といえるでしょう。
従って、血管迷走神経反射が起こりやすい処置を行う際には、患者がリラックスした状態で行うこと、その一環として患者の肢位に気を配ることには、転倒防止以外の意義もあるのではないかと思うのです。
変化する痛みの感受性
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000027774_5.pdf
回復までの期間がはっきりしている17症例だけでも疼痛の発現から軽快・回復まで1カ月間から1年以上にわたっています。
上記の症例が必ずしも当てはまるとは限りませんが、痛みが長引く原因として、長引く痛みそのものがさらに痛みを感じやすくさせる点と、不安などの感情が痛みを強くさせる可能性が上げられると思います。https://www.jstage.jst.go.jp/article/pain/25/4/25_1/_pdf
2-1 不安と痛み
痛みに対する不安があると痛みをより強く感じる。
侵害刺激が持続すると、侵害受容ニューロンの感受性が亢進して、痛覚過敏やアロディニア(通常では痛みを引き起こさない刺激によって生じる痛み)が生じる。
カッコ内はブログ管理人による
痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief
https://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/react-sensitization.html
痛みの破局的思考
— 世界の かるがも in 世田谷 (@atsushimiyahara) 2018年6月30日
三要素
Rumination 反芻(痛みにとらわれ、痛みが頭から離れないこと)
Magnification 拡大視(痛みを必要以上に強い存在と感じること)
・Helplessness 無力感(痛みに対して何もできないと信じ込んでしまうこと)
認知行動療法で改善することも https://t.co/h4He6fvnh7
恐ろしい病気の情報 threatening illness information や否定的な感情 negative affectivity のために、痛みの破局化を生じさせ、恐怖心 pain-related fearは維持される。
痛みの破局化思考の3要素
痛みと鎮痛の基礎知識 - Pain Relief
- 反 芻:痛みにとらわれ、痛みが頭から離れないこと
- 拡大視:痛みを必要以上に強い存在と感じること
- 無力感:痛みに対して何もできないと信じ込んでしまうこと
https://plaza.umin.ac.jp/~beehappy/analgesia/pain-poly.html
痛みの破局化は、予想される痛み、または、実際の痛みに対する否定的な認知-情動反応として概念化されており、多くの重要な疼痛関連アウトカムと関連している。
本レビューでは,最初に痛みの破局の概念化に焦点を当て,その概念史と潜在的な問題領域に焦点を当てる。次に,評価理論,注意バイアス/情報処理,共同対処, CNS疼痛処理機構,精神生理学的経路および神経経路などの作用の多くの理論的機構に焦点を当てる。
次に、評価理論、注意の偏り/情報処理、共同対処、CNS疼痛処理機構、精神生理学的経路および神経経路などの作用の多くの理論的機構に焦点を当てて議論する。
そして、痛みの破局化が痛みの治療において重要なプロセスファクターであることを示唆する証拠を提示する。
最後に、今後5年間に研究者が使用する統合的なヒューリスティック・モデルを提案し、このモデルがこの分野を最も迅速に発展させると信じるものである。
機械による翻訳
Pain catastrophizing: a critical review
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2696024/
不随意に四肢が動く動画や、車椅子の少女たちを前面に押し出すやり方は、強烈な印象を与え、合理的な判断ができなくなる。ましてや「識者」がそれっぽいコメントすれば、尚更である。
— 世界の かるがも in 世田谷 (@atsushimiyahara) 2019年2月18日
さらに、マスコミ報道が不安に輪をかけたとしたら・・・
子宮頸がんワクチンを巡っては、2010年11月~今年3月に接種した推計328万人のうち、重篤な症状を含め、医療機関から報告された発熱やアナフィラキシーショックなどの副作用が1千件を超えたことがすでに判明している。
(中略)
接種後に慢性的な痛みが生じるといった従来にない重い副作用が38例報告された。この症状とワクチンとの因果関係は分かっておらず、検討部会では情報が集まり因果関係の有無が確認されるまで、ワクチンの勧奨を一時やめるとの意見が多数を占めた。
子宮頸がんワクチン勧奨中止へ 厚労省、副作用で: 日本経済新聞 2013年6月14日 21:50 (2013年6月14日 22:49更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG14052_U3A610C1CR8000/
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097691.pdf
不安定な思春期のココロ:集団ヒステリーを事例に
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097691.pdf
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000097691.pdf
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20161108-OYTET50045/
上記の記事は、現在はバズフィードに在籍している岩永記者によるものです。
この記事で明らかになったのは、不定愁訴を訴える患者の受け皿として保健医療機関はあまりにも非力であること。その為、治療を求める患者が医療難民と化してしまうこと。結果的に患者が代替療法を選択せざる得ないこと。そのような医療体制の不備がHPVワクチンへの不信感にもつながっていること。等があげられると思います。
また、起立性調節障害や複合性局所疼痛症群、または身体表現性障害をHPVワクチン接種とは関係なく既に発症していた人、あるいは、注射による疼痛をきっかけとして前記した症状等を潜在的に持っていた人が発症して、HPVワクチン接種後の副反応であると訴えている可能性をも示唆していると思います。
ところが、Mizuho.H 氏によるとこの記事が、HPVワクチンの副反応が接骨院で治ったという事実を提示したことをもって心因性であると決めつけ、結果的に代替療法家を祭り上げることになったと主張していらっしゃるのですが、皆様はどのようにお感じになられるでしょうか?
私には、岩永記者に恨みを抱いていた Mizuho.H 氏による嫌がらせ目的の主張であるように思えます。
その元記事がこれ。岩永さんの真意は「副反応」は心因性、回復できるというところだったんでしょうけど、この記事が結局、一人歩きした模様。:【子宮頸がんワクチン特集】打った後の体調不良に苦しんだ立場から 10代後半の女性とその母親 https://t.co/yAeuXlj0jF
— 橋迫瑞穂「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」発売中 (@_keroko) June 17, 2018
岩永さん、それはないでしょう。ご自分がヨミドクでやらかした、社会的に問題のある整体師を「エビデンス」と持ち上げて、マスメディアに流したのを「乱暴」と言わずに何を乱暴と言うのですか。あまりに自省がなさすぎやしませんか。 https://t.co/26cxTlp7Fp
— 橋迫瑞穂「妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ」発売中 (@_keroko) December 14, 2018
因みにですが、記事中に登場する女性の母親はこのようにおしゃっていました。

記事中の女性の母親が Mizuho.H 氏に宛てたツイートは 2018年6月11日ですが、上に引用した Mizuho.H 氏のツイートは、2018年6月17日及び2018年12月14日になされています。
私憤を晴らすためであれば、当事者の言うことなどに耳を貸す必要はないということでしょうか?
筋肉内注射に恐怖感を持つ患者の血管迷走神経反射による失神2例 Youtube より
ま と め
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/nagoyastudy-sadaosuzuki
ペインクリニック外来に訪れる患者は痛みを治してほしいのではなく、痛みによる苦しみを取り除いて欲しくて来院するのだと表現した痛みの専門家がいる。
我々のように近代医学を学んだ者は、痛みの原因を検索し、その原因を取り除くことが最も重要であると考える傾向にある。
しかし、痛みの原因となる外傷や疾患は契機に過ぎず、これをきっかけとし、その患者を取り巻く社会環境が変化しその結果として痛みに苦しむ状況ができあがる場合も存在する。
痛みと情動 - PAIN RESEARCH Vol.25 No.4 2010
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pain/25/4/25_1/_pdf
血管迷走神経反射の達人現る!
ご紹介させて頂きます。
意識を失っている状態でぇ、
意識がないのにぃー、
どうして受け身が取れるなんて思っちゃったんスかぁ???
迷走神経反射 from:online_checker
((to:_keroko from:online_checker) OR (to:online_checker from:_keroko)) OR ((@_keroko from:online_checker) OR (@online_checker from:_keroko)) OR ((twitter.com/_keroko from:online_checker) OR (twitter.com/online_checker from:_keroko))